フランスのオペラとは その1
バラッド・オペラの特色を汲んで、ピラーほかの作曲家たちによるジングシュピールも、きわめて民謡風な、誰にでも親しめる旋律に満ちていました。
チェコ生まれでベルリンに活動したゲオルク(イルジー)・ベルダ(1722-95)は、そのようなジングシュピールを芸術的に洗練させた人として特筆されるでしょう。
クリストフ・ワイキューブによれば、ウィーンでは、初めのうちジングシュピールはあまり盛んにならなかったそうです。
この都では古くから軽い喜劇や人形劇に歌や音楽を入れることが行われており、ジングシュピールにさしたる新味を感じなかったのかもしれません。
しかし、18世紀半ば頃からフランスのオペラ・ブーフ(オペラ・コミック)の翻案がウィーンで人気を得たことも動機のひとつとして、ここでも独自の芸術性をそなえたジングシュピールが生み出されていった。